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2004.06.17(Thu) 20:16 3
明日、ビアンカとフローラさんのどちらかを選ぶことになった。
どうしてこんなことになっちゃったんだろう・・・どうしたらいいんだ。
ビアンカはルドマンさんの別荘に泊まっている。
僕が逃げないように人質に取られている気分だ。
僕はこれから、天空の盾がほしいだけだともう一度ルドマンさんに説明に行く。


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2004.06.18(Fri) 21:15 5
シルクのヴェールを取りに来た。サラボナに戻るのは明日になる。
本当は今日中に戻れたのだが、いろいろ準備があるからとかなんとか、
つまりは明日まで戻るな、ということらしい。

僕は、やっぱりビアンカを選んだ。
断られるのも覚悟していた。
でも、昨日の夜、ルドマンさんの別荘で会ったとき、
ビアンカも僕が好きなんじゃないかと思った。
もちろんビアンカはそんなこと言わないし、
そんな態度もしてなかったけど、なんとなくそう思った。
だから、もう、怒られるのは覚悟でだめでもいいと思って申し込んだ。
ビアンカは、自分でいいのか、と言っていた。
いいもなにも、僕には、ビアンカ以外考えられない。
ビアンカは泣いていた。本当にきれいだった。

しかし、一番喜んでいたのは意外にもフローラさんだった。
フローラさんは満面の笑みで僕たちを祝福してくれて、
花嫁の準備があるからと、さっさとビアンカをつれていってしまった。
この様子には、ルドマンさんもちょっとびっくりしているみたいだった。
僕は、なんだか拍子抜けした。僕と結婚するのがそんなに嫌だったのかな。
このことをみんなに話したら、スラリンにわがままだと怒られた。

そしてすぐここに来たので、結局ビアンカとはほとんど話していない。
ビアンカは、本当に本気で僕と結婚してくれるんだろうか?
今頃ビアンカの気が変わっていないかちょっと心配だ。

これが夢でなければ、明日、ビアンカと結婚できる。
あの、樽に入って外に出られた日より、
ラインハットが取り返せた日よりもうれしいのは不謹慎だろうか。
一番報告したい人には、もう伝えることができないのが残念だ。

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2004.06.21(Mon) 00:18 7
今日は、本当の本当に僕とビアンカの結婚式だった。
ビアンカは、ほんとうにきれいだった。
こんなきれいなビアンカと結婚できるなら、
天空の盾が手に入らなくてもかまわないと一瞬思ってしまった。
そうしたら、バチがあたったようだ。

結婚式の後の宴会は深夜を過ぎた今でもまだ続いている。
この調子では、たぶん明日の朝まで続くのだろう。
おまけにビアンカは、
宴会が始まってからずっとフローラさんと話し込んでいる。
式の前は新婦に会ってはいけない決まりと言われるし、
顔を合わせたのは教会の中でだから、
僕は結婚式の時のセリフ以外ほとんど口をきいていない。
だから、ビアンカが本気で僕と結婚するつもりなのかまだわからない。
明日になったらやっぱり嫌だと言い出さないか、いまでも不安だ。

今これは、シャンパンを頭から浴びてしまって着替えに来たついでに書いている。
外でみなさんが呼んでいるので、もう行かないといけない。
結婚式って、こういうものだったろうか?


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2004.06.22(Tue) 20:34 9
やっぱり、宴は朝まで続いた。
すごく疲れたけど、とても楽しかった。
なにより、見ず知らずの人達があんなに祝ってくれるなんて、本当にうれしかった。
父さんも、サンチョも、ダンカンさんいなかったけど、でも素敵な結婚式だった。
フローラさんと結婚しない、盾だけくださいという僕に
こんなにしてくれるなんて、ルドマンさんはなんていい人なんだろう。
ビアンカは、だからあれだけ商売も成功できるんだろうと言っていた。
おまけに、ルドマンさんは僕がもってきた炎の指輪と水の指輪を
結婚指輪にと提供してくれた。外洋に出られる船も準備してくれているという。
僕はどう返事していいか迷ったけど、これから天空の防具を集めて
勇者様を見つけるのに必要なものだから、ありがたく受け取った。
こんないい人と出会えて、本当によかった。
将来、なにか僕がルドマンさんに恩返しできることがあるといいのだが・・・

ルドマンさん達には引き留められたが、僕たちはサラボナを発った。
ポートセルミでルドマンさんの船に乗り、テルパドールに行くためだ。
あのままサラボナにいたら、ルドマンさんは僕たちへと
もっといろいろしてくれそうだったので、早々に発つことにしたのだ。
それでも、食料や薬草やその他いろいろ、たくさん持たせてくれた。
フローラさんは、ビアンカと別れをおしんでいた。
僕のことはあまり眼中になさそうだった。うーん。
この数日、二人の間に何があったのかわからない。ビアンカも話してくれない。

今日中にはポートセルミまではつかないし、みんな昨日はあまり寝ていないので、
今日は早めに野宿の準備をした。
本当はビアンカのお父さんに改めて挨拶に行きたかったけど、
それではとても遠回りになるし、馬車で山越えは無理だからとビアンカが言うので、
とりあえずまっすぐポートセルミに向かうことになった。
今朝、宴が終わった後、ちょっと二人きりになったときに、
ビアンカに、これからよろしく、と言われた。
なんだか照れくさくて、くすぐったい感じがした。
すぐにみんなが来たので、二人でゆっくりは話せなかったけど、
やっぱり結婚しないとか、あれは嘘だとか言われていないし、ちゃんと結婚したんだよね。
下手にいろいろ聞いたりしないことにした。
今日も・・・二人きりになる時間はなさそうだ。

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2004.06.24(Thu) 22:04 11
昨日、僕とビアンカは夕食のあとすぐ寝てしまった。
二人とも、朝まで目を覚まさなかった。
見張りは、みんなが交代でしてくれていた。
野宿なのに、こんなに熟睡したのは初めてだ。

僕とビアンカは、昨日の宴に朝まで出ていたけど
みんなはちゃんと寝ていたらしい。
だから気にするなとみんなは言ってくれた。
しかし、いくら徹夜で飲んでいたとはいえ、不覚だ。
これからは気をつけよう。

ビアンカは、僕より早く目が覚めたそうだ。
僕はビアンカがつくる朝食の匂いで目が覚めた。
船の旅と違ってちゃんとした台所もないし、使っている材料は、
僕たちが以前から使っていたものとあまり違わないのに
ビアンカの作る食事はすごくおいしい。
みんなもおいしいと喜んでいるから、僕の気のせいではなさそうだ。

ポートセルミまではまだしばらく野宿が続く。
二人だけになる時もないので、ビアンカとはまだゆっくり話していない。


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2004.06.25(Fri) 19:40 13
明日は、カボチ村を通る。

ビアンカにカボチ村であったことを話した。
ビアンカは黙って聞いてくれた。
話が終わったら、ビアンカはしばらく考え込んでから、
早く勇者様を見つけようと言った。
彼女は、勇者様が見つかって、ゲマや、教団や、
たぶんその後ろにいる奴をやっつけたら
もっと魔物と人間が近づけるんじゃないかと思ったそうだ。
僕の様に魔物とわかりあえる人間がもっと増えるんじゃないか、
仲良く手を取り合って、とはいかなくても、もうちょっと良い関係になるのではないかと。

僕は、正直に書くと、そこまで考えたことなかった。
今の魔物と人間の関係が、なにかによって変わるなんて。

ビアンカは、そうなってもカボチ村の人と仲直りできるかはわからないけど、
それはしかたないことだ。
人間同士だって、わかりあえないことは多い。
でも、それは大切な事だと思うと言っていた。
わからないからわかろうと努力するし、みんなが違う考えを持つのは大切なんだと。

そして、でも、ゲレゲレと会うことができたんだから、いいじゃない、と言っていた。
ゲレゲレが、僕の事を思い出せなくて、ビアンカのリボンを見せたことは、今日は話さなかった。
ちょっと、くやしかったから。

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2004.06.26(Sat) 23:15 15
カボチ村の人達は相変わらずだった。

ビアンカは、怒っていた。
昨日は仕方ないことだと言っていたくせに。
僕がそう言うとビアンカは、
彼らがゲレゲレのことを恐れていたことも、
僕とゲレゲレが友達と知って彼らが騙されたと思ったことも、
そんな彼らの態度を見てビアンカが怒ることも
仕方ないことだし、それはそれでいいんだ、と言った。
客観的に見て、カボチ村の人達の態度は当然のことだが、
それと、ビアンカが怒るのは別のことだって。

でも、ゲレゲレが村の畑を荒らしたのも
僕が魔物を退治するという約束を守らなかったのも事実だ、と言うと、
ゲレゲレがなにをしたというんだ、そりゃ畑はちょっと荒らしたけど、
人や家畜を襲ったわけでも、村を荒らしたわけでもない。
もっと冷静に観察しろ!
魔物って言うだけでびびっているからこういう誤解がおこるんだ!とまくしたてた。
なんだか・・・ビアンカは10年経ってもビアンカだ。

ビアンカが怒っているのを見て、僕は、
僕も心のどこかでそう思っていたことに気が付いた。
でも、それを見ようとしなかったんだ。
ビアンカが、僕のかわりに怒ってくれているような気がした。

ビアンカがあんまり怒るので、僕はなんだかおかしくなった。
僕が笑っていたら、ビアンカはますます怒り出した。
それでも僕が笑っていたら、ビアンカは馬車に籠もって掃除をはじめた。
それだけじゃおさまらなかったみたいで、夕飯にデザートがついていた。

僕は、カボチ村の件は仕方ないことなんだと、やっとちょっと思えるようになった。
ビアンカが言う通り、早く天空の防具を集めて、勇者様を見つけよう。

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2004.06.30(Wed) 22:42 17
明日はたぶんポートセルミに到着する。
準備が出来次第、出航しようと思う。
船旅になったら、すこしはビアンカとゆっくり話をする時間がとれるだろう。
今のところ、二人になる時間が全くない。
野宿の繰り返しの旅では仕方がないのだが。
ちょっと緊張する。

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2004.07.01(Thu) 20:30 19
ポートセルミに着いた。
船は・・・大きかった。
確かに外洋に出るにはそれなりの大きさが必要だろうが・・・
ほんとうに、いいのだろうか?

船の準備がまだ整っていないということで、とりあえず今夜はポートセルミに滞在して出発の準備をすることになった。
だから今夜は宿屋に泊まる。
受付で「一部屋しか空いていない」と言われて、ビアンカにいいかどうか聞いたら、
ビアンカはなにも言わず頷いた。
だから、ビアンカと一緒の部屋だ。
ビアンカは今、馬車に忘れ物を取りに戻っている。


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2004.07.03(Sat) 00:51 21
昨日、あのあと酒場へ行った。
・・・飲み過ぎて、部屋に戻ったらすぐに寝てしまった。

昨日のビアンカはなんだかすごくかわいくて、
もちろんいつもかわいいんだけど、昨日は特にかわいかった。
酒場に行って、「奥さん」って呼ばれたら赤くなって「はい」って言っていた。
彼女が奥さんと呼ばれてるのを見るのは初めてな気がする。ドキドキした。
その後も新婚かとか、いろいろ聞かれたが、
ビアンカは僕の隣に座ってにこにこ話していた。
見合いかと言われ、「違います、ね〜?」と僕を見た。
かわいかった。
ビアンカと結婚できてよかった。
あきらめないでよかった。
そして僕は、うれしくなって、空きっ腹にどんどん飲んでしまったんだ。
今日は久しぶりに二日酔い気味だ。

さっき、ビアンカが船まで様子を聞きに行ってくれた。夕方には仕上がるそうだ。
ここにもう一日泊まって、明日の朝出発することになった。
ビアンカは今、買い物に行っている。
彼女は、本気で最初から、滝の洞窟からの帰りに船を降りる気だったそうで、
あまり荷物を持ってきておらず、長旅に出るための準備に行った。
出かけるときビアンカは、余計なお金を使わせて申し訳ないと言っていた。
申し訳ないのは僕の方だ。
よく考えたら、彼女をいつ終わるかわからない危険な旅に巻き込んだんだ。
病気のダンカンさんを一人残して。
浮かれている場合じゃなかった。
僕は、果たしてこれから彼女を守ることができるだろうか?
早く、もっと強くなりたい。

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2004.07.03(Sat) 23:13 23
ビアンカが買い物から戻るちょっと前に
サラボナから彼女宛に荷物と分厚い手紙が届いた。
彼女が戻ってきてから、せかされるように夕食に出たので、
渡したのは食事から戻ってきてからになってしまった。
それは、フローラさんからだった。
彼女はそれを何度か読み返し返事を書き始めた。
もう日付が変わっているのに、まだ書き終わらない。
ダンカンさんにも手紙を書くから、もう寝ていてくれと言われた。
でも頑張って待っていようと思い、手持ちぶさたなのでこれを書いている。
ダンカンさんへはわかるけど、フローラさんへは、なにをそんなに書いているんだろう?
あの二人の間になにがあったのか、謎だ。
聞いてみようかとおもったが、余計なことを話しかけて
書き終わるのが遅くなっても困るので、とりあえず今はやめておいた。
荷物は、ビアンカが開けてみて、真っ赤になって閉じてしまった。
なにが入っていたのか聞いたら、そのうち見せるかもしれないとかなんとか
ごちゃごちゃ言って、しまってしまった。なんだったんだろう?


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2004.07.05(Mon) 00:07 25
昼前に予定通り出航した。
自分たちの操舵で外洋に出るのは初めてだが、マーリンとピエールがいるので安心だ。
でも、みんなに頼ってばかりいないで、自分でも勉強しよう。
書庫には予想以上の本がそろっていて、びっくりした。

びっくりしたといえば僕たちの寝室にびっくりした。
ルドマンさんのオーダーだそうだが・・・ドピンクだった。
でっかいベッドがあって、寝具もカーテンもピンクだった。
ビアンカも、真っ赤になって絶句していた。
作業していた人には「新婚さんにぴったりの内装」とひやかされた。
どうしたらいいのかわからないので、とりあえずお礼を言った。
ビアンカの視線が痛かった。

一緒の部屋が嫌だと言われたらどうしようかと思ったけど、
そのことについてはなにも言われなかった。ちょっと安心した。

あとは順調で、とりあえず出航した。
出航後、ビアンカが見あたらなかった。
心配して探していると、船尾で遠ざかっていく港を見ていた。
いきなりダンカンさんのもとを離れ、こんな旅に出るなんて、予想もしなかっただろう。
僕と結婚したことだって、考えてなかったと言っていたし。
もしかしたら、もう後悔しているのかもしれない。
なんとなく、後ろ姿が泣いている様に見えた。
僕が声をかけられないでいたら、ビアンカの方が僕に気が付いた。
僕が、ごめんと言ったら笑われた。
なにを考えていたのか聞いたら、出会いって不思議だ、と言った。
あのままアルカパにいたら、フローラさんとも会えなかっただろうし、
僕と結婚したかどうかもわからないって。
ビアンカがアルカパにいたら、もっと早く会えたのに、と言ったら、
アルカパにいたら、とっくに結婚してたと言われた。
そんなの困ると言ったら、すごく笑われた。
僕にとっては、冗談ではない。アルカパなんて、山奥の村よりずっと人も多いし、
ビアンカはこんなにきれいなんだから、もしかしたら本当に
僕と会う前に結婚しちゃっていたかもしれない。
ダンカンさんが引っ越してくれて感謝しなくちゃいけない。
そう言ったら、ビアンカはずっと笑っていた。
笑われたのは不本意だけど、ビアンカが元気になったから、まぁいいや。

ビアンカは、台所を追い出されて、手持ちぶさただったそうだ。
もうすぐ夕飯の時間だけど、未だにみんな台所に籠もっている。
僕とビアンカは近づかないように言われた。

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2004.07.05(Mon) 20:11 27
昨日のみんなの秘密はすごいものだった。
なんと、改めて僕とビアンカの結婚パーティーをしてくれたんだ。
サラボナでは、街の人に気を使ってみんなあまり騒げなかったからだそうだ。
ビアンカは、みんなにせがまれて、もう一度ドレスを着て、僕がヴェールをつけた。
なんだか、あの時以上に照れくさかった。
ビアンカのドレス姿は、何度見てもきれいだ。でも、汚すと困るからとすぐ着替えてしまった。
風があまりなく、海も穏やかだったし、陸に近いせいか魔物もあまりでなかったので、
結局、みんなで朝まで騒いでいた。

ビアンカは、実はパーティーのことを知っていたそうだ。
みんなに買い物を頼まれて気づいたけど、僕にもみんなにも黙っていたそうだ。
マーリンとピエールは、ビアンカが気づいていることを知っていたらしい。
3人が時々よくわからない会話をしていたのはそのせいだったようだ。

そう言えば、あのピンクのシーツやカーテンは、
昨日みんながパーティーの準備をしている間にビアンカが普通のシーツに取り替えてしまった。
変えていいかと聞かれて、僕がどうしようかな、と言ったら、
あのままにするなら他の部屋で寝ると言われて承諾したのだ。
別に、ピンクの部屋がよかったわけではないんだけど・・・
今日、僕がちょっと昼寝しようとしたら、
ビアンカが「ピンクのシーツじゃなくて残念ね」と言って笑った。
しばらくこれでからかわれそうだ。いいんだけどさ。

ちょっと昼寝のつもりが夜まで寝てしまい、今夜は不寝番だ。
ビアンカは昼間もずっと起きていたから、夜は寝るんだろうな。


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2004.07.24(Sat) 21:40 29
同じ船にいるはずなのに、ビアンカとあまり会っていない。
食事の時は会うが、でもそのときはみんなが一緒で、
あとはビアンカはなにか細々仕事をしていたり、
マーリンと魔法の練習をしていたり、とにかくなにか忙しくしていて
ほとんどゆっくり話をすることがない。
仕事が多くて大変じゃないかと聞いたら、
「宿屋の仕事よりはずっと楽」と言われた。
それはそれでいいんだけど・・・

もうじきテルパドールに着く。

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2004.07.25(Sun) 22:24 31
ビアンカが最近忙しくしていたのは、
砂漠を旅するための保存食を作っていたからだった。
今、甲板には肉や魚が干してある。
砂漠に行くのがわかっているから当然の事だと言われた。
スラリンに「しっかり者の奥さんで幸せだね」とからかわれた。
しっかりものはその通りだけど、奥さんというのは・・・
もう何日もろくに話していないし、なにもしていなくても奥さんでいいのだろうか。

テルパドールのある大陸についた。
上陸できそうな場所を探したら、初めての砂漠の旅だ。

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2004.07.27(Tue) 20:42 33
なんとか上陸できた。
予想はしていたけど、テルパドールはすぐには見つからなかった。

砂漠では馬車が使えないことを、僕はよく考えていなかった。
ビアンカが、砂漠の旅用の食料を作っていた意味が、上陸してみてやっとわかった。
ビアンカにそう言ったら、ビアンカは笑わないで、
自分も、ポートセルミで教わったんだと言っていた。
いつの間にそんなことしていたのかと思ったら、僕が最初の夜、酒場で酔っぱらっていた間に他の旅人に聞いたんだそうだ。
本当にごめんなさい。反省しています。

今、僕は火の番で、みんなはもう休んでいる。
ビアンカの寝顔を、久しぶりに見た。
野宿もいいかもしれないと思ったが、みんなにも見せちゃうんだよな。

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2004.07.28(Wed) 19:53 35
テルパドールが見つからない。この大陸はずっと砂漠で、ほかになにもない。
でも見つからない。
昼間は暑さで体力を奪われるので、今日から明け方と夕方移動して、昼間は休むことにした。
砂漠は毎日天気が良くて、星がよく見える。
ビアンカがもうすぐ満月だと言った。
そうだけど、それがなに?と聞いたら・・・怒られた。まだ怒ってるらしい。
でも、なんで怒っているのか全くわからない。
みんなに、また喧嘩しているのかと言われるし。
せめて、なんで怒っているのかくらい教えて欲しいよ。まったく。


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2004.07.30(Fri) 20:47 37
結局ビアンカがなんで怒っているのかわからなかった。
でももう怒っていないみたいだから、しつこく聞かないことにした。
それどころではなくなったし。
僕は、ケムケムベスとは相性が悪いみたいだ。
ガンドフとはうまくいっているんだけどな。

今日から少し、夜の間に移動することにした。
砂漠の昼間は考えてた以上にきつい。本当に、甘く見ていた。



ケムケムベスなんてだいっきらいだ。

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2004.08.02(Mon) 20:35 39
この大陸に来て、初めて人に会った。
そこの井戸の底に、人が住んでいてびっくりした。
こんなところに住む人もいるんだ。

ビアンカと、この間の話の続きをしたかったんだけど、
ふたりきりになるときがない。
休憩の時に一人になってみたけど、ビアンカは迎えに来なかった。
いいんだ、どうせ。


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2004.08.03(Tue) 22:43 41
やっとテルパドールを見つけられた。
アイシスはきれいな人だったけど、ビアンカの方がもっときれいだと思う。
ビアンカにそう言ったら、怒られた。
そういえば、フローラさんの時も、ルドマンさんの前で自分をほめるなって言ってた。
なんでこんなことで怒るんだろう。

天空の盾は今は渡してもらえなかったけど、奴らの手に渡ることもなさそうだ。
ビアンカも、このことは安心していた。
新しい情報も得られた。
本当はこのまま次の場所に行きたいけれど、食料がそんなに残っていないし、
装備も整え直す必要がありそうなので、一度ポートセルミに引き返すことにした。

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2004.08.04(Wed) 19:20 43
久しぶりに船に戻ってきた。留守番してたガンドフ達がすごく喜んでくれた。
ビアンカは久しぶりに、おいしい料理を作ってくれている。
船の旅は大変だと思っていたけれど、砂漠よりはずっといい。
あとは天候が悪くならないのを祈るだけだ。


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2004.08.05(Thu) 21:57 44
ビアンカは、魔物使いの素質があるんじゃないかと思う。
そもそもゲレゲレを助けようとしたのはビアンカだし、
ゲレゲレもビアンカのリボンで僕のことを思いだした。
この船に来たときも、ほとんど動じていなかった。
みんなもすごくビアンカのことが好きなのがわかる。

テルパドールを出てからは、しびれクラゲと友達になったらしい。
でも、僕が見に行ったら、追い払われた。
恥ずかしがらなくてもいいのに。

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2004.08.08(Sun) 22:51 47
ビアンカの料理はおいしい。すごくおいしいと思う。
船で作ってくれる料理もおいしいけど、砂漠とか野宿で作ってくれるご飯もおいしいからすごい。
だけど、ビアンカは自分は料理が苦手だという。
よく聞いてみたら、ビアンカが比較しているのはどうやら宿やレストランででる料理らしい。でも僕は、そういうところの料理にもひけをとらないと思うんだけど。
今日気が付いたけれど、ビアンカはいつも一回の食事で、何種類かつくっている。人間と同じ料理が、食べられなくはないけど、あまり好きでない仲間用にだ。
これじゃ料理に時間がかかっていて、いつも台所に籠もっているはずだよ。そこまでしなくていいと言ったけど、自分にできるのはこんなことくらいだから、と言う。それに、別に負担じゃないからと。確かに宿のコックさんならいつも何種類もつくっているだろうけれど、ここは宿じゃないんだし。だけどビアンカは、宿じゃないけど下宿みたいな物だし、自分はべつに構わないから、と言っていた。そして・・・今頃なんでそんなこと言うのか、と言われた。
はい、今まで全然気が付いていなかったんです。ごめんなさい。反省しています


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2004.08.10(Tue) 20:31 49
スラリンとスミスが・・・僕が、料理のことに気づいてなかったことをビアンカにしゃべった。それも僕の目の前で、思いっきり。止めるスキがなかった。
ビアンカは、にこにこしながら「そう」と言った。それだけだった。
そして、にこにこしながら食事をした。でも、僕のことは見なかった。
怒ってるんだよね、たぶん。
こういう怒り方をするビアンカは初めてで、どうしていいのかわからない。
いっそいつもみたいに怒ってくれたらいいのに・・・
今夜はビアンカがピエールと夜の当番をしている。さっき様子を見に行ったときも、ビアンカはなにも言わなかった。いったいどうしたらいいんだろう。
こんな時にヘンリーがいてくれたら!

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2004.08.11(Wed) 19:38 51
昨夜あの後眠れなくて、思い切ってビアンカにあやまりに行った。
ちょうどピエールはいなくて、操舵室にはビアンカだけだった。
僕が一生懸命謝っても、最初ビアンカはぜんぜんわかってくれなくて、僕が必死で説明したら、彼女は大笑いした。
ビアンカは全然気にしていないし、怒ってないって。
夕食の席で怒っていたと言ったら、いつもと一緒だったって。僕に後ろめたいことがあったから、そう思っただけだろうって。
僕が気が付いてなかったことについても、「そんなことだろうと思っていた」と言われた。そして、僕と一緒にいるなら、そんなこといちいち気にしていたらどうとか、と言っていた。

とりあえず一件落着ではあるけど、その後、なんだか・・・僕はもやもやしていた。
最近ビアンカとあまり話をしていないのは、もしかしたら避けられているんだろうか?
水のリングを探しに行ったときはもっといろいろ話したのに。
なにがいけないんだろう。


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2004.08.14(Sat) 22:57 54
昨日、あんなことを考えたら、そのあとどんどん気になってしまった。
例えば、寝室が一緒なのに、ほとんどここで会うことがない。
どちらかが操舵の当番とか見張りとかについていることが多いからだろうけれど、それだけなんだろうか。
二人きりになったのも、この間砂漠でビアンカが怒っていた時くらいのような気がする。あとはたいてい誰かが一緒にいる気がする。
もしかしてビアンカは僕と二人きりになりたくないんだろうか?
僕は、避けられてる?

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2004.08.16(Mon) 14:36 56
一度気になりだすと止まらないのは悪い癖だと思う。わかっているんだけど・・・
船は大きいし、仕事はたくさんある。ビアンカは忙しいだけというのはわかっている。でも、気になり始めると止まらない。
サラボナで、ビアンカは、結婚して欲しいと言ったらうれしいと言ってくれた。でも本当は、別に結婚したかったわけじゃないのかもしれない。そういえば、フローラさんはまだ結婚をしたくなかったということを、誰かから聞いた気がする。
あそこで僕と結婚すると言ったのは、本当は結婚したかったのではなくて、ビアンカが断ったらルドマンさんが「それならフローラと」と言うかもしれなかったからとか。
結婚するとは言ったけど、やっぱりそんな風に好きなんじゃなくて、前に言っていた通り、僕を弟にしか見られないからとか。
それとも、こんないつ終わるかわからない旅がいやになって、ダンカンさんの所に帰りたくなっているんだろうか。

こんな時、ヘンリーだったらどうするだろう。


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2004.08.17(Tue) 21:43 58
昨日のことが気になってしかたがなかったので、思い切ってビアンカに聞いてみようかと思った。でも、ビアンカと二人きりになるタイミングがなかなかない。
ビアンカが料理中も誰かが手伝っているし・・・それに、ビアンカが料理しているときになんか話ししようとすると怒られるし。
当番の順番とか調整しないとだめなのかもしれないけど、今更、二人にしてください、なんて恥ずかしくて言い出せない。船旅をはじめた時に、もうちょっとなんとかしておくべきだったんだ。とりあえずポートセルミに戻るまであきらめるしかないのかも知れない。でも、それまでこんな風にぎくしゃくしたままでいいんだろうか。
ビアンカは、本当は僕のことをどう思っているんだろう。

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2004.08.20(Fri) 17:12 60
スラリン達がビアンカに、いつ赤ちゃんが産まれるのか聞いたらしい。
それを聞いて、僕はどうしたらいいのかわからなくって、夕方まで甲板にいたら気持ちが悪くなってしまった。
なんとか部屋まで自分で戻ってきたのは覚えているんだけど、気が付いたらベッドに寝ていた。頭には濡れタオルが乗っていた。たぶんビアンカだ。
さっきビアンカが食事をもって来てくれた。ビアンカは、こんな暑い日にあんなに外にいたらいくら僕が体力あったって具合悪くなると、いつものお説教をしていたが、赤ちゃんの話はなにもしなかった。僕も恐くて聞けなかった。
ビアンカが部屋にいる間、僕はまだ具合が悪い振りをして、布団をかぶっていた。本当はもう大丈夫だったんだけど、ビアンカの前でどんな顔をしたらいいのかわからなかった。
赤ちゃんなんてできるわけないんだ。そんなことしていないんだから。
ビアンカはどう思ったんだろう?いくら考えても、わからない。
どんなつもりで、僕に聞けって言ったんだろう?
また頭が痛くなってきた。見張りの当番は誰かがかわってくれると言っていたから、今日はもう寝てしまおう。


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2004.08.21(Sat) 22:43 62
昨夜は、夕食の後そのまま寝てしまった。夜中に目が覚めたらビアンカがいた。
僕の頭のタオルを変えてくれているところだった。
僕を見て、ほっとした顔をしていた。すごく、かわいかった。僕がずっと寝ていたから、心配してくれていたみたいだ。僕の額に手を置いて、あまり無理しないでって言った。すごく、やさしかった。なんだか、小さい頃の事を思い出した。
ビアンカが昨日の話はなにも言わなかったので、僕も何も言わなかった。
すごく久しぶりに、二人きりで話をした。ビアンカは、仕事があったからあまり長く部屋にいられなかったんだけど。
今朝も、ビアンカは普通だったし、何も言わなかった。僕がもう大丈夫って言ったら、にこにこしていた。でも・・・このままうやむやにしてしまっていいのかな。そうしたら、今までと一緒のままだ。

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2004.08.23(Mon) 15:32 64
ビアンカが一人で夕日を見ていた。僕がそばに行くと、また外にいると具合悪くなるんじゃないかって言って笑った。すごくかわいかった。
なにしていたのか聞いたら僕のことを考えていたと言った。
僕は、これはチャンスだと思った。
思いきって、ビアンカは僕のことをどう思っているかきいて見ようとした。

マーマンなんか大っきらいだ。

マーマンをやっつけたら、ビアンカは料理の途中だったからと、さっさと台所へ戻ってしまった。
やっぱり・・・避けられてるのか、呪われているのかも知れない。


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2004.08.24(Tue) 20:22 67
昨日、なんだか中途半端に終わってしまったので、今日こそは!と思った。
なのに、ビアンカは昨夜起きていたから、今日の昼間は寝ていた。
でも食事は起きて作っていた。すごい。
なぜ寝ていたのかを知っているのかというと、ビアンカを探して部屋に行ったら、彼女が寝ていたからだ。久しぶりに見た彼女の寝顔はかわいかった。本当にかわいかった。
僕が彼女の寝顔に見とれていたら、彼女は目を覚まして、悲鳴をあげた。

いいんだ、どうせ。

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2004.08.25(Wed) 21:55 69
昨日ビアンカにあやまられても、なんだか後ろめたくて適当な返事をしてしまった。
今日は僕の方があやまろうと思った。
午後、ビアンカが甲板にいたので話しかけようとしたら、ビアンカはまた、まるで魔物が現れたみたいに悲鳴をあげて、僕を甲板から追い出した。

いったい、なんなんだ。



2004.08.26(Thu) 21:55 71
昨日の夜、あれを書いた後、ビアンカに謝られた。ちょっと考え事をしていたので、びっくりしてただけだったって。本当はもっと早く言いたかったんだけど、なんとなく言いにくかったんだって。
僕も、便乗させてもらって、おとといの素っ気ない態度を謝った。
ビアンカは笑って、二人で謝ってて変だね、と言った。そして、あまり一緒にいられないのが残念だって。もっといろいろ話がしたいと言っていた。
ビアンカも、僕と同じことを考えてくれていたのがうれしくて、僕はもう、ビアンカが僕をどう思っているか確認しなくてもいいと思った。

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2004.08.28(Sat) 15:11 74
前言撤回
今日、僕が部屋に入ろうとしたら、そこにいたビアンカが悲鳴を上げた。
そして、追い出された。僕の部屋でもあるのに・・・
ノックしなかったからだろうか。でも、誰もいないと思ったんだ。
ビアンカはまだ怒っていて、夕飯の時もろくに口をきいてくれない。
僕も、自分が悪いと思えないので、そのままにしている。
もう、部屋を別々にした方がいいのかもしれない。


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2004.08.29(Sun) 17:24 76
今朝、ビアンカが僕の好きな蜂蜜入りのミルクティーを入れて起こしに来てくれた。
朝ご飯も僕の好きなしょうがパンだった。
みんなが忙しそうだったので、僕が朝ご飯の片付けを手伝った。
昨日の事をあやまったら、ビアンカはニコニコして、びっくりしただけで、怒ってないけど、部屋に入るときはノックして、と言っていた。
仲直りできて良かったと思ったけど・・・これって、僕が悪かったの?
ビアンカが、こんなにしょっちゅうびっくりしているとは思わなかった。昔は、子供だったから気が付かなかっただけなのかな。
でも、こんな発見があるのも、ちょっと楽しい。
今日のビアンカは、ガンドフの背中をこがしていた。魔法が上達するのはいいけど、そのうち誰かが丸焦げになりそうで心配だ。

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2004.09.01(Wed) 20:19 79
ビアンカが元気がない。ため息ばかりついている。
ビアンカに元気がないと、僕も、みんなも元気がなくなってしまう。
ビアンカと一緒に旅を初めてまだ少しなのに、ビアンカは、僕だけでなくみんなの大切な人になっている気がする。ビアンカがいつもにこにこしていてくれるから、みんな戦いで傷ついても、嵐が来ても元気でいられるのに気が付いた。

なんで元気がないんだろう。なにを悩んでいるんだろうか。
もしかしたら、僕と同じ事を?でも世の中、そんなに都合良くできていないことはわかっている。どうしたのか、僕が聞いてみるべきなのもわかっている。みんなの視線もそうしろ、と言っているのもわかっている。だけど・・・僕と結婚したことを後悔しているとか、今の生活が嫌になったとか、ダンカンさんのところへ帰りたいということだったら・・・そんなことを考えると、恐くて聞けない。
忙しくて疲れているのなら、キメラの翼で先にポートセルミに戻ってもらって、少し休んで、ということも考えたけど、ビアンカが僕の手の届かないところに行くなんて、耐えられない。でも二人とも船をあけるのは、なにかあったときを考えたら無理だ。
ビアンカが僕にしてくれたように、僕もビアンカになにかしてあげたいと思った。でも、考えてみたら、僕はビアンカがどうしたら喜ぶのかわからないんだ。昔も、今も、僕はビアンカにしてもらうばかりで、僕がビアンカを慰める事なんてしたことがなかった。僕にできることと言ったら、魔物から守ることだけど、そうするとビアンカは怒るんだ。それじゃいったい、どうしたらいいんだろう。
一緒に暮らすって、なんて難しいんだろう。好きなだけじゃ駄目なのかな


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2004.09.02(Thu) 18:26 81
船を進められなくなった。帆が破けたからだ。
いや、僕たちが破いたからだ。ちょっとふざけていただけなのに、見事に裂けてしまった。予備の帆が足りなかったので、修理できるまで船は進めなくなった。
魔法で簡単に・・・なんて直るわけがなく、ビアンカが修理の仕方を見ながら縫ってくれている。
帆を破いた話をした時、ビアンカは笑っていた。怒るかと思ったから、意外だった。
元気がいいのはいいことだけど、ケガはしないようにしてね、と言った。
怒らないのか聞いたら、既に反省している人に重ねて怒る必要はないって。悪かったことがわかっていて、もうやらないならそれでいいって。
そういえば昔、小さかったとき、ダンカンさんの宿でなにか壊したとき、ビアンカのお母さんにもこんな風に言われた事を思い出した。叱られるよりもっと、反省したんだった。血はつながって無くても、親子なんだな、と思った。

ビアンカが帆を縫っているので、食事は僕たちで作ることにした。料理を作るのは久しぶりだ。そして、出来上がった物はひどかった。ほんとうにひどかった。でも、ビアンカがちょっと味付けをしてくれたら、食べられる程度になった。ビアンカってすごい。
今日のビアンカは、昨日みたいにため息をついたりはしていない。帆を縫うのが大変なのか、もう悩んでいたことが解決したんだろうか。そうだったらいいんだけど。

操舵の必要もなかったので、夜、図書室にいたら、ビアンカが縫い物をもってやって来た。一人で縫っていたら退屈になってきたんだって。僕は椅子に座って本を読んで、ビアンカは僕の足下で、床に帆を広げて作業をしていた。
時々、僕を見上げて話しかけてくるビアンカがすごくかわいかった。
なんの話をするわけでもないし、ただ一緒にいただけだったけど、なんだか、すごく幸せだった。もし、旅をするのでなく、どこかに住んで生活していたら、こんな風に過ごすんだろうか。そうしたら、もっといろいろ話しもできるだろう。今みたいにぎくしゃくすることもないのかもしれない。
父さんのかたきも、母さんを捜すのもせず・・・でも、そんな生活もいいかもしれないと、ちょっと思った。
そんなこと言ったらビアンカは怒るだろうな。
だけどそれも、僕の為に怒ってくれるんだ。

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2004.09.03(Fri) 12:02 83
なんで朝からこんなことをしているかというと、これに書いたら少し落ち着くかと思ったからだ。いや、落ち着かないといけない。落ち着いて、普通にしていなくてはならない。

昨夜、ビアンカはまだ少し作業するからというので、僕は先に寝た。
寝ていたら、誰かが僕の手を引っ張った。でも僕は眠くて眠くて動けなかった。やっとちょっとだけ目を開けてみたら、それはビアンカだった。僕はびっくりして、やっぱり動けなかった。ビアンカは、僕がベッドの真ん中で大の字で寝ていたので、僕の手をどかそうとしてたらしい。でも僕が、わざとじゃないんだけど、動かなかったので、そのうちあきらめて、その、僕の、懐というか・・・僕の腕を枕にして、横になった。僕はもうすっかり目が覚めていたんだけど、どうしたらいいのかわからなくて、動けなかった。
ビアンカはすぐに寝てしまった。本当に眠かったらしい。
そっと目を開けて見たら、窓から見える空が少し明るくなっていた。一晩中作業していたら、眠くて当然だ。
腕をどけてあげた方がいいのかと思ったけど、それで起こしてはかわいそうだし、それに、その、せっかくだから、このままでもいいかなとか思った。ビアンカの寝息がすぐ側で聞こえて、ビアンカが寝返りを打つとビアンカの柔らかくて暖かい身体が僕に触って、とにかく困った。すごく困った。本当にどうしていいのかわからなかったけど、なんかしちゃいけないと思ったので、じっとしていた。でも、寝返りぐらいはいいだろうと思って、そっとビアンカの方を向いたら、ビアンカの寝顔ときれいな金髪が目の前にあって、とってもいい匂いがして、また困った。もう動けなくて、そのままじっとしていた。すごく長い時間そうしていた気がしたけど、ほんとは少しだけだったのかもしれない。日が昇って部屋が明るくなったら、ビアンカはぱっと起きたので、僕は慌てて寝たふりをした。ビアンカはそっと布団から出た。身支度をしてる気配がして、そして、そして、僕のほっぺたにキスをすると、部屋を出ていった。
これは・・・どう考えたらいいんだろう。
何か、期待していいんだろうか?

もうすぐ朝食の時間だ。なるべく普通にしていないと、僕が実は起きていたのがばれてしまう。とにかく、落ち着こう。ヘンリーのおまじないは、こんな時でもきくだろうか。


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2004.09.03(Fri) 21:10 85
朝はなんとか乗り越えることができた。正確に言えば、ビアンカが疲れてぼーっとしていたので、僕がちょっとくらいぎくしゃくしていても気が付かない様だった。でも変なのは隠せなかったみたいで、スミスが体調悪いのか、と心配してくれた。ごめん、スミス。体調が悪いわけじゃないんだ。

ビアンカはずっと帆を縫っていたので、今日のお昼も夜も僕たちが作った。でも昨日で懲りていたので、味付けだけはビアンカを呼んで頼んだ。おかげで昨日よりはちょっとましな物が食べられた。

午後、僕とピエールが甲板にいたら、ビアンカが左手に布をぐるぐる巻いて、泣きそうな顔でやってきた。針を手に刺してしまったのだ。僕がそんなおおげさな、と言って布を取ると・・・針が、ぶっすりと左の手のひらを貫通して刺さっていた。情けないことに僕はそれを見てくらくらしてしまった。ムチで打たれた傷の方がまだましだ。でもなんとか倒れずに、針を引き抜いてすぐホイミをしたら傷はきれいに治った。ビアンカはありがとうと言ったが、不機嫌そうだった。まだ痛いのかと思ったら、自分が治癒系の呪文ができないから僕に迷惑かけてしまったと言う。僕ができるから大丈夫だって言ったら、それじゃ、僕がケガしたときは誰が治療するのか?と言って、行ってしまった。
治癒系の呪文ができないことを、ビアンカは前からずっと気にしていたのはしっていた。それって・・・僕のためだったんだろうか?ちょっとうぬぼれ過ぎかな?
泣きそうなビアンカ、かわいかった。こんな風に僕を頼ってくれることはあまりないから、なんだかうれしかった。ビアンカのケガもすぐ治ったし、今日はいい日だ。

ビアンカはまだ、帆を縫っている。かなり疲れている。帆布を縫うのは力がいるので、本当は僕がやってあげたいところだけど、昨日試しにやってみたら、ひどいことになってしまい、そこはほどいてやりなおしだった。僕はそういう才能はないみたいだ。ケガをしたらすぐ治療できるように起きていると言ったら、縁起でもないこと言うなと追い出されてしまった。
もう寝ようと思ったけど、なんだかどきどきしてなかなか寝られない。

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2004.09.05(Sun) 23:11 87
帆の修理が終わったので、航海を続けられるようになった。
ビアンカは結局昨夜ほとんど徹夜で、今日も昼までかかって帆を縫った。
おまけに、みんなのお昼と夕ご飯まで作ってから寝た。
寝る前に、今の仲間だけで航海を続けるのは危険かもしれないと言われた。今回は帆だけだったけど、もっと他のところ、例えば操舵に関係するところなどが壊れた時に、修理できないし、今は幸い大きな嵐にあっていないけど、もしそうなったときに危ないって。確かにビアンカの言うことは正しいけれど、人を雇うにはお金がいる。そして僕たちにはそんな余裕はない。確かに船の旅を続けるなら、そういうことも考えなくてはいけないのだけれど・・・

昼ご飯を食べた後、ビアンカは泥のように眠っている。寝顔がすごくかわいい。
今ここで僕がこれを書いていても、全く起きない。ほっぺたにキスしても起きなかった。もっとなにかしても起きないかもしれない。でも、また起きてびっくりされたら困るので、もう仕事に戻ろう


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2004.09.07(Tue) 20:44 89
ビスタの港に行くことにした。
一人で頑張って帆を縫ってくれたビアンカにみんなでお礼をしようということになって、なにがいいか考えたのだけれど、結局みんなで相談したのでは思い浮かばなくて本人に直接聞いた。
ビアンカは、アルカパに行きたいのだそうだ。
そう言ってから、でもサンタローズの近くだし、僕が嫌か?と気にしていた。サンタローズは・・・ヘンリーとも一度行っているし、ビアンカが一緒なら、大丈夫だ。
ルーラで簡単に行ってこられるんだけれど、みんながどうせ情報収集をかねてラインハットに行くなら、少し馬車で地上を旅しようといってくれた。確かにみんなも少し疲れているし、慣れた馬車の旅の方が気が楽でいいかもしれない。それに・・・一番の理由は、馬車の旅ならすこし、ビアンカと話をする時間が作れるんじゃないかと思ったからだ。ポートセルミに寄ってからにするかどうかは、天候と、船の状態で検討することにした。
ビアンカが行きたいところがある、と言ったとき、もしかしたらダンカンさんのところかも、とどきどきした。ダンカンさんのところに戻って、もう旅をやめると言われたら・・・。
僕と会って、山奥の村を出てから、ビアンカは一度もダンカンさんに会っていない。ルーラでちょっと行ってこられるんだけど、僕は行こうかと言えない。ビアンカが、ダンカンさんのところに戻ってしまうのが、恐いんだ。僕はずるい。こんな弱い自分がなさけない

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2004.09.09(Thu) 20:17 91
ピエールとスラリンがビアンカにあだ名を付けた。『切り込み隊長』だって。

確かにビアンカは以前からそうだったんだけど、最近特に魔物と戦うとなると、どんどんぶつかっていく感じがする。戦いはどんなに練習をしていても、実戦で経験を積まないと強くなれないのはわかっている。でも僕も、みんなもいるんだし、ビアンカは無理して頑張らなくても大丈夫だと思う。そのためのパーティなんだし。でも僕がそう言うと、いつもビアンカは不機嫌になって、守られるだけでは嫌なんだって言う。別に僕はそんなつもりじゃないんだけど、あまり危ないことはしてほしくないだけだ。自分でケガをするより、ビアンカになにかある方がよっぽどつらい。父さんの時のような後悔はしたくない。だからビアンカとこの話しになるたび、ちょっと喧嘩の様になっていた。

今日、マーリンにその話をした。マーリンとビアンカの魔法の練習もかなりハードそうで、そんなに根を詰めなくてもいいんじゃないかと思ったんだ。そしたら、マーリンに笑われた。
ビアンカは治癒系や蘇生系の魔法ができない。だからその分、他のことで頑張っているんだって。僕の負担になりたくないと思っているんだろうと言っていた。
僕は、そんなこと負担だと思ったことはない、ビアンカは、僕にとっては、側にいてくれるだけでいいのに、と話した。
マーリンは、もし僕がビアンカの立場で、そう言われたらどう思うかと言った。
僕は、はっとした。
奴隷だった頃、まだ小さいとき、ヘンリーに同じ様な事を言われたことがある。親分は子分を守るもの、子分は親分に守られていればいいんだって。でも、僕はそんなの嫌だった。まだ小さかったから難しいことはわからなかったけど、そんなの違うと思った。そして、僕はヘンリーに庇ってもらわなくても大丈夫なように頑張ったし、だから強くなれた。ヘンリーとも親分とか子分とかでなく、友達になれたと思ったんだ。
僕が間違っていたと、ビアンカにあやまらなくちゃいけないと思った。
でもマーリンは、ビアンカのことだから、謝られたら、それはそれで怒るだろうと言った。確かに、その通りだ。そんな事も解らないなんて、自分が情けない。
マーリンは、僕には僕にしかできない、ビアンカのためになることがあるはずだ、それを探しなさいと言った。そしてそれは自分で考えないといけないって。
僕にしかできないこと・・・まだわからない。


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2004.09.21(Tue) 20:52 94
僕にしかできないことは、まだみつからない。
でも、ビアンカにしかできない、僕のためになることならたくさんある。

今日はなんだか朝からいらいらしていて、戦いに集中できず、ケガをしてしまった。ケガはすぐに治せて問題なかったんだけど、こんなことでミスをするなんて、とその後もいらいらしていた。
夕方、僕が図書室にいたら、ビアンカが慌てて僕を呼びに来た。どうしたのか聞くと、とにかくついてこいと言う。僕の手を握って、走った。行く先は甲板だった。雲が何層にもなっていて、夕日がその隙間を沈んでいた。遠くの方ではスコールがあって、そこだけ金色に煙っていた。僕とビアンカはしばらく黙って、夕日が沈んでいくのを見ていた。その間、ビアンカはずっと、僕の手を握っていた。陽が沈んでしまってから、用事はなにだったのか聞くと、僕と一緒にきれいな夕日を見たかったんだと言う。これを見たら、僕が元気が出るかと思ったって。それから慌てて、二人で洗濯物を取り込んだ。
僕のいらいらは、すっかりどこかに行ってしまった。ビアンカにもみんなにも、八つ当たりしてしまったことを素直に謝ることができた。

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2004.09.22(Wed) 18:48 96
僕が相変わらず考えこんでいたら、ビアンカがなにを考えているのか聞いてきた。君の事だ、と言ったら、真っ赤になって怒った。本当の事なのに。なんで怒るんだろう。


☆★☆★☆
2004.09.24(Fri) 20:28 98
昼ご飯の時、なぜか父さんの話になった。みんなに父さんがどんな人だったのか聞かれて僕が困っていると、ビアンカが父さんの話を始めた。
ビアンカはうれしそうに、父さんのことをみんなに話した。
ビアンカのあんな顔、あまり見たことがない。ほんとに楽しそうに話していた。
それを聞いていて僕は、なんだかむかむかしてきた。
ビアンカは、今の僕と父さんはあまり似ていないと言って、そして父さんの事を褒めていた。当然だ。ビアンカは父さんが好きだったんだ。まだ小さかったけど、僕にだってそれはわかっていた。
ビアンカの言っていることは事実だったし、とくに大げさに話しているわけでもないのに、僕はもう聞きたくないと思った。
いつもなら父さんを褒められたらうれしいのに、なんでかとにかく、僕はむかむかして、イライラしていた。

そのうち、僕が小さい頃の話になった。
ビアンカは、僕が小さかった頃は素直でかわいかったと言った。
僕はそれを聞いて、なぜだかカッとなった。
そしてビアンカだって昔はもっとかわいかったし素直だった、もう僕はあの頃の僕じゃないんだし、小さくなることもできないんだからしかたないだろ、と言って席を立った。
一度は甲板に出たけど、この間ずっと甲板にいて具合が悪くなったのを思い出して、部屋に戻った。そしてそれから当番の仕事もせず、夕飯も食べず、部屋に籠もっている。
みんなが部屋の前に様子を見に来ているのはわかっていたけど、布団に潜ってドアを見ることもしなかった。ビアンカが夕食を持ってきた時も、返事もしなかった。
ビアンカは夕飯を下げに来て、僕が手をつけていないのを見ると、ため息をついていた。
そして、何も言わず部屋を出ていった。
とにかくイライラと、むかむかと、自己嫌悪と、みんなの前であんなことを言ってしまった恥ずかしさとでどうしていいかわからない。そしてなんでこんなにイライラしているのかもわからない。

☆★☆★☆
2004.09.25(Sat) 22:10 100
昨夜あの後、まだなんかむかむかするし、おなかはすくしで眠れなかった。何時頃だろう。ビアンカが夜食を持って来てくれた。
ビアンカはベッドに座って、なんで僕が怒っているのかわからないけれど、自分がなにか気に障ることを言ったのなら、ごめん、なにを怒っているのか教えて欲しいと言った。でも僕は、自分でも何に腹を立てていたのかわからなかったので、どうしていいかわからず黙っていた。ビアンカは、ごめんね、と言って出ていった。
夜食は僕の好きなカボチャのシチューとしょうがパンだった。
その後も、朝まで眠れなかった。ずっと考えていた。
まだなにが気に入らなかったのは、はっきりはわからない。
でも、一つ気が付いたことがある。
僕は・・・不安なんだ。
ビアンカが好きなのは、今の僕ではなく昔の僕なんじゃないか。
ビアンカが本当に好きなのは僕ではなく、父さんなんじゃないだろうか。
ビアンカは僕のことを、僕がビアンカの事を好きなように好きな訳ではないのではないか。
あんなに楽しそうに父さんの話や昔の僕の話をしているのを見て、そんな不安が一気に吹き出したんじゃないかと思う。

もうすぐ夜が明ける。今日も部屋に籠もっている訳にはいかない。でも、どんな顔をしてみんなに会ったらいいんだろう。ビアンカに、なんて言えばいいんだろう。


☆★☆★☆
2004.09.26(Sun) 18:02 101
みんなに対してどうしたらいいのか、結局わからなかった。だから、ずるいのは解っているけれど、何もなかった様に普通にしていた。みんなも何も言わなかった。みんなの方が僕よりずっと大人だ。でも、当然かもしれない。みんな、僕より長く生きているんだから。
ビアンカとは・・・挨拶と最低限の話はしたけど、ぎくしゃくしたままだ。昨夜僕が部屋に籠もっている間、僕の仕事をビアンカがしてくれていた。そのお礼も言っていない。僕がうじうじしているから、ビアンカも僕に対してどうしていいのかわからないんだろう。僕が謝るべきなのはわかっている。でも、なんて言ったらいいのかわからない。彼女になにか言ったら・・・余計なことまで言ってしまいそうだ。
みんなは、僕とビアンカのことについて何も言わない。それがありがたくもあるし、誰かがこの状態を解決してくれたら、とも思う。でも・・・これは、僕の問題なんだ。

僕は、ビアンカが好きだ。奴隷をしている間も、何度もビアンカのことを思い出した。山奥の村で再会したとき、ビアンカがきれいになっていてどきどきした。僕との子供の頃の約束を憶えていてくれてうれしかった。誰のものでもないことを感謝した。結婚を承諾してくれたときは、今までで一番うれしかった。ビアンカを選んだことで、父さんのかたきがうてなくても、母さんを捜せなくてもいいとさえ思った。僕は、ビアンカを愛している。一緒に生きていくのはビアンカしかいないと思う。小さかった頃のビアンカも好きだし、今のビアンカはもっと好きだ。気が強いところも、実は泣き虫なところも、なににでも一生懸命なところも、僕の弱いところをわかってくれているところも。
でも、その気持ちを押しつけて、また拒絶されるのが恐い。
僕が好きではない、父さんの敵を討つために協力していると言われたら。
ビアンカが好きなのは昔の僕で、今のこんな僕には失望していると言われたら。
ビアンカの気持ちを確かめるのが恐い。
だから、ビアンカに何も言えなかったし、なにもできなかったんだ。
僕は臆病だ。でもビアンカを失いたくない。でも、このままの関係でいるのも嫌だ。
いったいどうしたらいいんだろう。

ポートセルミに寄らず、先にビスタに行くことになった。ポートセルミ方面の天候が良くないそうだ。
アルカパに行く前に、せめてビアンカと前のように話せるようになりたい。

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2004.09.28(Tue) 19:58 103
あと数日でビスタに着きそうだ。食料はとりあえず問題ない。陸路の分は、アルカパで補充することになるだろう。

みんなは、なにも言わないし、何もなかった様な感じだ。
こうも普通にされてもなんだか、どうしていいのかわからない。以前ビアンカが、怒ったときにみんなにいろいろ言われてひっこみがつかなくなった、と言っていた。僕は、責められた方が楽だと思う。前みたいに「ビアンカにあやまれ」という雰囲気があったほうが、思い切れる。
ビアンカとはぎくしゃくしたままだ。ビアンカは台所に閉じこもっているので、話をする機会もない。もしかして、僕のことを怒っているんだろうか。やっぱりあやまったほうがいいんだろう。でも、どうあやまっていいのかわからない。きっとビアンカはなんでふくれていたのか聞いてくるだろう。そのときどう答えたらいいのかわからないんだ。
ビアンカがなにを考えているかわからない。同じ船の中にいるのに、すごく遠くにいる気がする。


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2004.09.30(Thu) 18:27 105
ビアンカと仲直りした。仲直りというより、ビアンカのおかげで普通に話せる様になった、と言った方がいいだろう。
昨日からビアンカが台所に籠もっていた理由がわかった。
今日はみんな、朝からなんだか変だった。そわそわしていて、僕によそよそしくて、ビアンカは相変わらず台所に籠もっていて。でも僕はまだ意地を張っていたので、誰にも何も言わなかった。そして夕食の時、びっくりした。ビアンカが、僕の誕生パーティーをしてくれたんだ。こういうのを、サプライズパーティーって言うそうだ。食堂に入ったら、テーブルの上にご馳走と大きなケーキが乗っていて、みんなが誕生日の歌を歌ってくれた。

誕生日なんて、父さんが生きている頃、サンチョがしてくれて以来だ。それから今まで、誕生日のことなんて忘れていた。小さな頃のことだから、誕生日がいつかも忘れてしまった。サンチョがおおきなケーキを焼いてくれたことを憶えいているだけだ。
なぜ僕が忘れてしまった僕の誕生日をビアンカが憶えていたのかというと、僕が父さんと旅に出ていた時にビアンカがたまたまサンタローズに行ったときに僕の家に寄って、その時サンチョが一人で僕の誕生日にってケーキを焼いていて、そのケーキのお裾分けをもらったことを憶えていたんだそうだ。でも彼女も、それが夏だったということしか憶えていないと申し訳なさそうに言った。でも、申し訳ない事なんて、何もない。僕でさえ忘れていた誕生日をビアンカが憶えていてくれて、うれしかった。

ビアンカといると、僕の灰色の時間に色がついていく気がする。
そしてこれから、今度は最初から色が付いた時間を一緒に過ごして行くんだ。

ビアンカの気持ちとか、まだ確かめられたわけじゃないし、今でも気になっている。でもとりあえず、そのことは今日はおいとこうと思う。このままじゃいけないのはわかっているけど、でも、今日はいいや。

今夜、本当は僕は見張りの当番だったんだけど、みんなが休んでいいと言ってくれた。ビアンカも今夜は仕事がないそうだ。ビアンカは台所に、火の始末に行った。

続き
ビアンカがなかなか戻ってこないので、台所に様子を見に行った。誰かが誰かの残して置いたケーキを食べたとかで、大騒ぎになっていた。しかもビアンカが騒ぎを収めるのに、もう一回ケーキを焼いている。ビアンカは急ぐから、部屋で待っててと言っていた。
しかし・・・僕は眠いんだ。調子に乗ってあんなにワインを飲むんじゃなかった。濃いコーヒーをもらってきたけど、眠くて眠くてしかたない。

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